寒い季節、深海に潜むアンコウを狙った釣りは、まさに冬の醍醐味とも言える楽しみのひとつです。
とはいえ、「どんな仕掛けを使えばいい?」「釣れる時期はいつ?」など、初心者にはハードルが高く感じられるかもしれません。
この記事では、アンコウ釣りの基本から時期別の狙い方、釣果アップの秘訣までを網羅的に解説しています。
季節や潮、ポイント選びまで知っておけば、初めてでも手応えある釣果が期待できますよ。
アンコウ釣りの手順と基本的な釣り方

アンコウは深海に棲む独特な魚で、その見た目と希少性から釣り人の憧れともいえる存在です。
そのため、釣り方や手順を理解することが釣果を大きく左右します。
基本的には底を狙う釣り方であり、重めの仕掛けや工夫された餌が必要です。
特に水深のある場所では、アタリを逃さず見極める力が求められます。
アンコウ釣りは単なる釣りではなく、自然と向き合いながら駆け引きを楽しむ奥深い体験なのです。
ここでは、アンコウ釣りを楽しむための流れやポイントを詳しく解説していきます。
アンコウ釣りの特徴とは?
アンコウ釣りは、基本的に深い海底を狙う点が大きな特徴です。
一般的な魚釣りとは異なり、仕掛けも重く、繊細な感覚が必要とされます。
その独特さが釣り人にとっては挑戦であり、同時に魅力とも言えます。
釣り方の全体的な流れ
まずは船で沖合に出て、水深のあるポイントを探します。
次に仕掛けを海底まで沈め、じっくりと待つことが基本の流れです。
アタリが来たらタイミングを見極めて合わせ、ゆっくりと巻き上げます。
焦らず、確実に引き上げることがアンコウ釣りの成功につながります。
船釣りと岸釣りの違い
アンコウ釣りは基本的に船釣りが主流です。
岸釣りでは狙える範囲が限られ、深場にいるアンコウを釣るのは難しいとされています。
そのため、本格的にアンコウを狙うなら船釣りが最も適した方法です。
底引き網漁と釣りの違い
底引き網漁は漁業者が大量にアンコウを捕獲する方法です。
一方で、釣りは一本の竿で一匹ずつ狙うため、駆け引きや手応えを楽しめるのが魅力です。
効率では底引き網に劣りますが、釣りは体験そのものに価値があります。
生き餌と疑似餌の使い分け
アンコウは肉食性で、生き餌には強く反応します。
一方で、疑似餌を使う場合は動きや色合いを工夫することが重要です。
状況によって使い分けることで、釣果を伸ばすことができます。
- 生き餌:イカや小魚が効果的
- 疑似餌:派手なカラーや夜光タイプが有効
| 餌の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 生き餌 | 食いつきが良い | 入手が難しい場合がある |
| 疑似餌 | 準備が簡単 | 本物ほど反応しないこともある |
アタリの見分け方と合わせ方
アンコウのアタリは微妙で、竿先が少し揺れる程度の場合もあります。
そこで違和感を感じたら、ゆっくりと竿を立てて様子を見るのがコツです。
早すぎる合わせは空振りにつながるため、慎重さが重要です。
釣り上げ後の対応方法
アンコウを釣り上げた後は、まず安全に取り込むことが大切です。
歯が鋭いため、素手で触るのは避け、道具を使って処理しましょう。
釣った後の扱いも含めて、最後まで丁寧に対応することが釣り人の心得です。
アンコウが釣れる時期とおすすめの季節

アンコウは冬の味覚として知られており、特に鍋料理に欠かせない魚として多くの人に親しまれています。
そのため釣り人の間でも、寒い季節になるとアンコウを狙う人が増えてきます。
最も美味しく、釣果も安定する時期は晩秋から冬にかけてです。
冷たい海水を好むため、水温が下がるにつれて沿岸部や比較的浅場にも姿を見せます。
この季節に釣れるアンコウは脂がのり、身も締まっているため、まさに絶好のタイミングといえるでしょう。
ベストシーズンはいつ?
アンコウのベストシーズンは11月〜2月にかけての冬場です。
特に1月前後は産卵を控えて体力を蓄えるため、より活発に餌を追うようになります。
この時期は釣り人にとっても最もチャンスが多い瞬間といえます。
季節ごとの釣果の違い
春から夏にかけては水温が高くなるため、アンコウは深場に移動し、釣果は減少します。
秋になると徐々に浅場に戻り始め、釣果も回復してきます。
冬は最も釣果が安定する時期で、大型も狙いやすくなります。
- 春〜夏:深場中心で釣果は少なめ
- 秋:沿岸に寄り始め釣果が増加
- 冬:最盛期、大型のチャンス
| 季節 | 釣果の傾向 |
|---|---|
| 春 | 深場中心、釣れる数は少ない |
| 夏 | 深場に潜む、釣りにくい |
| 秋 | 浅場へ戻り始め、釣果上昇 |
| 冬 | 最盛期、脂がのった個体が多い |
アンコウがよく釣れる場所・釣り場の特徴

アンコウは深海魚のイメージがありますが、季節や条件によっては比較的浅い場所でも釣ることができます。
特に砂泥質の海底を好むため、そうした地形が広がるエリアは有望なポイントとなります。
釣り場選びでは「地形」と「水深」が大きなカギ」になります。
また、地域ごとに特色があり、釣り方や狙えるサイズにも違いが出てきます。
おすすめの釣り場(地域別)
日本各地でアンコウは釣れますが、特に有名なのは北陸から東北にかけての日本海側です。
茨城県沿岸や青森県沖でも好漁場
初心者向けアンコウ釣りの注意点

アンコウ釣りは独特のスタイルが求められるため、初心者にとっては最初の壁が多い釣りでもあります。
特に海底に潜む魚なので、仕掛けの位置や誘い方を工夫しないとアタリが出にくいのが特徴です。
「難しいけれど、その一匹を釣り上げた瞬間の喜びは格別」というのがアンコウ釣りの魅力です。
また、大物がかかる可能性があるため、タックルの強度やドラグ調整も重要なポイントになります。
無理に引き上げようとすると、糸切れやバラシにつながるため慎重なファイトを心がけましょう。
釣り方のコツと失敗しやすい点
アンコウ釣りは、海底を感じながら仕掛けを丁寧に動かすことがコツです。
誘いを大きくしすぎると警戒され、逆に動かさなさすぎると興味を持たれません。
「底を切らずに、少しずつ誘う」というリズムを意識することでヒット率が高まります。
- 大きくしゃくりすぎ → 警戒されやすい
- 動かさない → 食いつかない
- タックルが弱い → バラシやすい
| 失敗例 | 原因 |
|---|---|
| 糸が切れた | ドラグ設定の不備 |
| アタリがない | 誘い不足または過剰 |
| 魚を逃した | 合わせが遅い |
安全対策とマナー
アンコウ釣りは海上で行うことが多く、天候や海況の変化に注意が必要です。
ライフジャケットは必ず着用し、天気が怪しい日は無理に出船しないことが大切です。
また、他の釣り人や船との距離を保つなど、釣り場のマナーを守ることが安全にもつながります。
釣り場を清潔に保ち、ゴミを必ず持ち帰る姿勢も忘れてはいけません。
アンコウ釣りにおすすめの時間帯と潮のタイミング

アンコウは日中よりも薄暗い時間帯に活動が活発になる傾向があります。
特に朝まずめや夕まずめは狙い目で、エサに対する反応も良くなります。
潮の動きとも密接に関係しているため、釣行前に潮汐表を確認しておくことが成功のカギです。
時間と潮を組み合わせて狙うことで、釣果に大きな差が生まれます。
「なんとなく行く」のではなく、自然のリズムを読んで挑むことが釣りの醍醐味といえるでしょう。
釣れやすい時間帯
アンコウが釣れやすいのは薄暗い時間帯です。
具体的には日の出直前と日の入り後の時間に活性が高まります。
このタイミングを逃さず仕掛けを投入することで、一気に釣果を伸ばすチャンスになります。
潮の動きとの関係
アンコウは潮止まりの時間には動きが鈍く、潮が動き出すと活性が上がります。
特に「下げ潮の初め」や「上げ潮の初め」は絶好のタイミングです。
潮の変化を見極めて投入することで、効率よく狙うことができます。
アンコウを釣った後の処理と持ち帰り方

アンコウは独特の体形をしており、処理に少しコツが必要です。
正しい締め方を知らずに処理すると鮮度が落ちやすく、せっかくの釣果を台無しにしてしまいます。
また持ち帰る際にも注意すべき点があり、保存状態で味が大きく変わってしまいます。
釣った瞬間から「食材としての扱い」が始まる意識を持つことが大切です。
新鮮な状態で持ち帰ることで、鍋や唐揚げなどの料理で最高の味わいを楽しめます。
締め方と保存方法
アンコウは釣り上げたらすぐに締めるのが基本です。
ナイフでエラを切って血抜きを行い、内臓を取り出して氷でしっかり冷やします。
氷と魚が直接触れすぎないよう、タオルや新聞紙で包むと鮮度が長持ちします。
持ち帰り時の注意点
持ち帰る際は、十分な量の氷をクーラーボックスに用意しておくことが必要です。
氷が少ないと温度が上がり、鮮度を損なう原因になります。
車内の温度も考慮し、できるだけ早く冷蔵保存に移すことを意識しましょう。
アンコウ釣りに必要な許可・ルール

アンコウ釣りを楽しむためには、単に道具をそろえるだけではなく、地域ごとに定められたルールを守ることが欠かせません。
特に海域には漁業権が設定されている場合が多く、許可のない立ち入りや漁はトラブルの原因となります。
釣り人一人ひとりの意識が、資源を守り、次世代に豊かな自然を残す大切な一歩となるのです。
また、漁港や防波堤などでは安全面の理由から釣りが禁止されているエリアもあります。
現地に出かける前に必ず自治体や漁協の情報を確認し、安心して釣りを楽しめるよう準備を整えましょう。
漁業権や釣り禁止区域について
アンコウが生息するエリアの多くは、漁業者が管理する漁業権に含まれています。
そこでは、個人が自由に釣ることはできず、無許可の釣りは違法行為にあたります。
地域によっては、遊漁証を購入することで釣りが可能になるケースもあります。
- 漁業権が設定された区域では原則釣り禁止
- 港湾や防波堤は立入禁止区域が多い
- 遊漁証が必要な場合がある
| 場所 | ルール |
|---|---|
| 漁業権エリア | 無許可での釣りは禁止 |
| 港湾施設 | 安全上の理由で立入禁止が多い |
| 遊漁証エリア | 購入すれば釣りが可能 |
ルール違反による罰則
漁業権や禁止区域での釣りを破った場合、思わぬ重い罰則を科されることがあります。
例えば漁業法違反では、罰金や懲役刑が科されるケースもあるのです。
「知らなかった」では済まされないため、事前の確認が釣行の安心につながります。
また、違反によって地域住民や漁業者との信頼を失ってしまうこともあります。
自分自身の楽しみだけでなく、周囲の人々の生活を守る意識も持ちましょう。
アンコウ釣りの魅力と楽しみ方

アンコウ釣りの魅力は、なんといってもその迫力ある姿と意外性に満ちた釣り体験です。
深海の不思議な魚を自らの手で釣り上げた瞬間の感動は、言葉にしがたいものがあります。
寒い海に挑みながら味わうスリルは、まさに釣り人にしか得られない特別な体験です。
また、釣った後には絶品料理として堪能できるのもアンコウ釣りの大きな楽しみです。
釣行そのものに加え、食の喜びまで含めた二重の魅力を持っているのが特徴と言えるでしょう。
釣ったアンコウの料理法
アンコウは「食べられない部分がない」と言われるほど、すべての部位を味わえる魚です。
特に有名なのがアンコウ鍋で、ぷるぷるの身と濃厚な肝が絶妙に絡み合います。
釣った魚を自分でさばき、温かい料理に仕上げる時間もまた特別な楽しみです。
唐揚げや煮付けにしても美味しく、料理の幅広さも魅力のひとつです。
釣りの醍醐味とは
アンコウ釣りにおける最大の醍醐味は、「未知なる魚との出会い」です。
重い仕掛けを引き上げたとき、海中から現れる独特な姿は驚きと喜びを与えてくれます。
自然の力強さと、人と海とのつながりを肌で感じられる瞬間こそが、釣りの真の魅力といえるでしょう。
ただ魚を得るだけでなく、その過程に刻まれる記憶こそが、多くの釣り人を惹きつけ続けているのです。


