「魚へんの漢字」と聞いて、すぐに思い浮かぶのは「鮭」や「鯛」など、なじみのある文字かもしれません。
しかし世の中には、一見すると魚とは無縁に思える、読めたら驚かれるような難読漢字が存在します。
この記事では、そんな「珍しい魚へんの漢字」を20個厳選し、その読み方や意味、使われる場面までわかりやすく解説します。
読めるようになれば、漢字好きとして一目置かれること間違いなし。
珍しい魚へんの漢字一覧と意味・読み方

(ほっけ)
「魚へんに花」と書くこの漢字は、訓読みで「ほっけ」。アイナメ科の海水魚で、東北・北海道など寒冷な沿岸に生息します。
幼魚の美しい青緑色が群れとなって泳ぐ姿が、まるで花のように見えることからこの漢字が当てられたと言われています。また、産卵期の雄に見られる鮮やかな唐草模様も由来の一つです。
さらに、「北方の魚」という意味で「北魚」「北方」と書き、それが「ほっけ」と音訓された説もあります。
この漢字には音読みがなく、訓読みの「ほっけ」のみで使われます。
鰯(いわし)
「鰯」は訓読みで「いわし」。イワシを表す国字で、他の魚の餌になりやすく、水揚げ後の鮮度が落ちやすいことから、「弱」の字をあてたとも言われています。
日本で作られた国字としての背景から、この漢字の成り立ちには庶民的な視点が感じられます。
鱚(きす)
「鱚」は訓読みで「きす」。スズキ目に属する海産魚で、初夏が旬。刺し身としても楽しめる高級魚として釣り人に人気です。
鯱(しゃちほこ)
「鯱」は「しゃちほこ」と読みます。神社や城の屋根飾りとして知られるあの「鯱」を示す漢字であり、魚ではあるものの伝説的な存在感も持ち合わせています。
鰻(うなぎ)
「鰻」は「うなぎ」と読みます。魚へんに「長いこと」を意味する「曼(まん)」をあてた漢字で、その細長い体形と長寿のイメージを重ねています。
鱧(はも)
「鱧」は「はも」と読みます。ウナギ目の魚で、豊かさを表す「豊」の字が使われており、栄養価が高く美味なことから「豊かな魚」として愛されています。
鯰(なまず)
「鯰」は「なまず」。以前は日本で作られた国字とされていましたが、近年の研究により中国文献からの引用であることが判明し、国字ではないとされています。
鮗(このしろ)
「鮗」は「このしろ」と読みます。冬が旬の魚であることから、「冬」の字をあてた国字として定着しました。
鯒(こち)
「鯒」は「こち」と読みます。魚へんに「踊る(甬)」を旁に用いた国字で、餌が近づくと跳ね上がって捕食する様子が踊るようだから、という説があります。
鮴(ごり)
「鮴」は「ごり」と読みます。淡水魚カジカの別名として用いられる漢字です。
- (ほっけ):幼魚の群れが花のよう → 漢字の由来
- 鰯(いわし):弱に由来? → 国字としての成り立ち
- 鮗(このしろ):冬が旬 → 漢字の旁に冬
- 鯒(こち):踊るように跳ねる → 「甬」から成る
| 漢字 | 読み | 由来・意味 |
|---|---|---|
| ほっけ | 幼魚の群れが花のよう、美しさから | |
| 鰯 | いわし | 弱 → 傷みやすい性質から |
| 鱚 | きす | 初夏の高級魚 |
| 鯱 | しゃちほこ | 伝説上の屋根飾り |
| 鰻 | うなぎ | 長い→曼(長)、形から |
| 鱧 | はも | 豊か→豊 → 栄養・美味しさ |
| 鯰 | なまず | 粘る→念 → 由来として言われたが非国字 |
| 鮗 | このしろ | 冬が旬 → 漢字に冬 |
| 鯒 | こち | 跳ねて捕食 → 踊る「甬」 |
| 鮴 | ごり | 淡水魚・カジカの別名 |
よく使われる魚へん漢字との違い

魚へんがつく漢字には、鮭(さけ)、鯛(たい)、鯖(さば)といった、誰もがすぐに思い浮かべるものがあります。
これらは食卓や市場、学校の授業など、日常のさまざまな場面で頻繁に目にする漢字です。
特に「鮭」「鯛」「鯖」は、日本人にとって馴染み深く、知らない人は少ないと言えるでしょう。
一般的な魚へん漢字とは?(例:鮭・鯛・鯖)
「鮭」はそのまま魚のサケを表し、刺身や焼き魚として定番の存在です。
「鯛」はお祝い事や宴会でよく出てくる高級魚としてのイメージが強く、縁起の良い漢字でもあります。
「鯖」は手軽な食材で、塩焼きやしめ鯖としてよく登場します。
このような漢字は、日常生活の中で自然と目に触れ、慣れ親しんでいるものが多いです。
使用頻度と知名度の違い
「鮭」「鯛」「鯖」はメディア、広告、教育の場で繰り返し使用されるため、知名度も使用頻度も圧倒的です。
一方で、「鮃(ひらめ)」「鰯(いわし)」などは魚偏の漢字であっても、やや専門的・限定的で、知名度や使用頻度がやや下がります。
料理好きや魚に詳しい人にとってはおなじみでも、一般の人には馴染み薄な場合もあります。
そのため「魚へん漢字」といっても、誰もが同じ漢字を思い浮かべるわけではないのです。
魚へんの漢字が使われる場面とは?

魚へんの漢字が最も多く使われるのは、料理メニューや市場の掲示、魚の解説など、視認性と専門性が求められる場面です。
また、新聞や小説、地名など、文章の中で使われることもあり、魚の種類を表現するための重要な役割を果たしています。
場面によっては、漢字表記の有無が読みやすさや雰囲気に大きく影響を与えます。
料理メニューや市場で見かける魚へん漢字
居酒屋や魚屋さんの看板、レストランのメニューには「鮪」「鰤」「鰈(かれい)」などが漢字で書かれていると、特別感が増します。
こうした現場では、魚の種類を漢字で表記することで、商品価値や専門性をアピールする効果もあります。
たとえばメニューで「鰤の照り焼き」と書かれていると、ただ「ブリの照り焼き」と書かれるよりもシャレた印象を与えることもあります。
新聞・小説など文中での使用例
新聞記事では「鰯漁好調」「鮭の稚魚放流」など、専門性を持たせつつ簡潔さを保つために、魚へんの漢字が使われます。
小説やエッセイでは、情緒や描写の深さを演出するために「鱒(ます)」や「鰊(にしん)」といった漢字が登場することがあります。
文章に豊かな色合いや情緒を持たせる手法として、魚へんの漢字は非常に有効です。
難読・当て字の魚へん漢字特集

魚へん漢字の中には、「読めない」「書けない」と言われる難読漢字や、ユニークな当て字も存在します。
こうした漢字は、漢字好きやパズル・クイズ好きの間で人気ですが、一般にはほとんど馴染みがありません。
だからこそ知っていると、自慢できるちょっとした知識になります。
読めないと恥ずかしい魚へん漢字
「魴(ほうぼう)」や「鱸(すずき)」などは、目にしたことがあっても読めない人が多い漢字です。
特に鮮魚店の売り場や魚図鑑で目にすることがあり、「この漢字、なんて読むんだろう?」とつい立ち止まってしまうこともあります。
知っておくと、魚に詳しい人として一目置かれるかもしれません。
由来が面白い当て字の例
「鰤(ぶり)」のように音読み・訓読みが一致してスッと読めるものもありますが、中には当て字のような面白い例があります。
たとえば「鰍(かじか)」なんて、形から音から意外性があって、魚へんの漢字の奥深さを感じさせます。
- 「鰍(かじか)」:小さくて川に棲む魚を表す、独特の雰囲気。
- 「鱚(きす)」:砂地に棲む白身の魚で、見た目も漢字も繊細。
表記の由来やその面白さを知ると、魚へん漢字への興味がぐっと深まります。
| 漢字 | 読み | 特徴 |
|---|---|---|
| 鰍 | かじか | 音・形とも意外で、知っていると驚かれる当て字的存在 |
| 鱚 | きす | 繊細な見た目を漢字がそのまま表現している印象 |
魚へん以外の部首を持つ魚の漢字

魚を指す漢字でも、必ずしも「魚へん」が使われているとは限りません。
漢字の部首には、その字が表す意味の手がかりが込められています。
魚へん以外の部首が使われている魚の漢字を知ることは、日本語学習の幅を広げてくれます。
部首が魚以外の例(例:鱒 vs 鮭)
「鱒」は「魚へん+孚(ふ)」。魚類であることを魚へんで示しつつ、孚が魚種を区別しています。
一方、「鮭」は「魚へん+圭」。魚へんで魚であることを示し、圭で種類や音を表しています。
つまり、魚へん以外の部首が補助的に使われ、魚の種類や読み方を明確にしています。
魚に関係していても魚へんでない漢字
魚と関係ある意味を持つ漢字の中には、魚へんでないものもあります。
たとえば「鮒」の他に「鰍(かじか)」「鰈(かれい)」など、魚であることを示すために魚へんを使うものが多いですが、まれに異なる部首もあります。
たとえば「鮸(あかざ)」という漢字は魚へんではなく、「鮸」という複雑な字形によって魚の種類を示していますが、部首そのものは異なります。
こうした例を通じて、部首と字形の関係、そして魚を表す多様な漢字の構造に気づくことができます。
魚へんの漢字を使った名前・地名の例

魚へんの漢字が名前や地名に使われる例は、ユニークで文化的な背景を感じさせます。
単に「魚」に関するイメージだけでなく、地形や伝承との結びつきも見られます。
名前や地名に使われる漢字を通じて、その土地や家族の由来に思いを馳せるのも魅力です。
人名に使われる魚へん漢字
日本の名前には、「鮎(あゆ)」や「鯉(こい)」など、魚を連想させる字が時に使われます。
たとえば「鮎美(あゆみ)」という名前では、「鮎」が魚へんでありながら、穏やかで清らかなイメージを名前に託しています。
このように、魚へん漢字は音だけでなく、心象や情緒も含めた豊かな表現となっています。
地名や屋号に見られる事例
地名や屋号にも魚へんの漢字が使われており、古くからその地域と川や海とのつながりを示すことがあります。
たとえば、「鯉川(こいかわ)」という地名は、鯉が群れる川の意味で、地域の川と結びついています。
また、屋号では「鮨」の字を使った寿司店の看板があり、魚と食の関係性を一目で伝えています。
魚へん漢字には、地名や商号に込められたストーリーがあります。
学習に役立つ漢字の覚え方・語源解説

漢字をただ覚えるだけでなく、部首の意味や語源を意識すると、長く記憶に残りやすくなります。
特に魚へん漢字は、魚という共通点に加えて部首が示すニュアンスも学習の鍵となります。
語源や由来をたどることで、漢字への理解が深まり、学びはより感動を伴ったものになります。
部首の意味から覚える方法
部首に込められた意味をヒントに漢字を覚えるのは、効果的な学習法です。
たとえば、「鯛(たい)」は魚へん+周囲を囲む「周」が組み合わさっています。「周」は「周囲」の意味があり、丸みのある様子を連想させます。
また、「鰯(いわし)」は魚へん+「弱(じゃく)」を使用。か細い魚に「弱い」という印象を持たせます。
部首を分析することで、漢字の形と意味を結びつけやすくなり、記憶にも定着しやすくなります。
語源・由来から学ぶ魚へん漢字
漢字の成り立ちや歴史的背景をふまえると、漢字の世界がより立体的に理解できます。
「鮭(さけ)」は、中国の古代に魚へんと「圭(小さな玉3つ)」を組み合わせた字形で、丸い卵を多く持つ魚として表現されたとも言われます。
また、「鮫(さめ)」は魚へん+「交(まじわる)」が元になり、交差するように泳ぐ姿や鋭い歯のイメージを含むと解釈されることがあります。
こうした語源を知ることで、漢字一字ごとに物語を感じながら学べるようになります。
難読魚へん漢字クイズに挑戦!

魚へん漢字の世界は深くて、ふだん見かける魚でも“へん”だけで難読に感じることがあります。
そんな魚へん漢字のクイズを通して、漢字の面白さと知識の深さを同時に楽しんでみませんか。
楽しく学びながら、知らなかった漢字を「なるほど」と感じるのがこの見出しのポイントです。
初級編と上級編の2段階構成なので、自分のレベルに合った挑戦ができます。
さあ、漢字の海に漕ぎ出して、新しい一文字との出会いを楽しみましょう。
読み方当てクイズ(初級編)
ここでは比較的よく見かける魚へん漢字を取り上げ、「なんと読む?」の形でやや優しめのクイズ形式にしています。
たとえば、「鰯」は〈いわし〉、「鮭」は〈さけ〉、「鯉」は〈こい〉と、日常で見かける魚の漢字でスタート。
まずは身近なものからスタートして、自信をつけることが大切です。
答えに正解したときの爽快感も、漢字学習の大きなモチベーションになります。
読み方当てクイズ(上級編)
初級編に続いて、ぐっと難易度を上げたクイズ形式で挑戦してもらいます。
たとえば「鮟」「鰹」「鰍」など、普段はあまり目にしない上級漢字を出題。
「鰍」は“かじか”、“鮟”は“あんこう”と読むなど、思わず“へ〜”と感嘆する知識を増やせます。
漢字の構造や部首に注目しながら推理する楽しさもあります。
挑戦するほどに、漢字の奥深さと日本語の豊かさに気づくことでしょう。
漢字検定や受験に出る魚へん漢字とは?

漢字検定(漢検)や中学・高校の受験に出題されやすい魚へん漢字には、一定の傾向があります。
この節では、実際の過去問題や出題例から、受験生が押さえておくと安心な漢字を紹介します。
試験で「出そう!」な漢字を先回りして学ぶことで、効率よく準備できます。
受験対策として、どの漢字に重点を置けばよいのかが明確になります。
漢検で頻出の魚へん漢字
漢検では、特に常用漢字で「魚へん」が使われているものが頻出します。
- 鰯(いわし)
- 鮭(さけ)
- 鯉(こい)
- 鮪(まぐろ)
- 鮭(さけ、再掲)
| 漢字 | 読み | 備考 |
|---|---|---|
| 鮪 | まぐろ | 中学・高校でよく出る語彙です。 |
| 鮭 | さけ | 定番の常用魚へん漢字。 |
| 鰯 | いわし | 身近で出題頻度が高い。 |
まずはこのあたりを押さえておけば、漢検ではかなり安心です。
中学・高校入試に出題される例
入試問題では、やや難しめの魚へん漢字が登場することもあります。
- 鰹(かつお)
- 鮫(さめ)
- 鱈(たら)
| 漢字 | 読み | 頻出レベル |
|---|---|---|
| 鰹 | かつお | 中学入試〜高校入試に幅広く出る |
| 鮫 | さめ | やや珍しいが油断できない一問 |
| 鱈 | たら | 学習指導要領でもおなじみ |
これらに慣れておくと、入試本番でも落ち着いて読めます。


