スロージギングのやり方完全ガイド|初心者が失敗しない基本とコツ

Season

「スロージギングに挑戦してみたいけど、何から始めればいいの?」そう感じている初心者の方は多いはずです。

釣りの中でも奥深く、魅力満点なこのスタイル。基本をしっかり押さえれば、誰でも海の中のドラマを体感できます。

この記事では、スロージギングのやり方を初心者目線でわかりやすく解説し、失敗しないためのコツを完全ガイドします。

スロージギングの基本手順とやり方を解説

スロージギングとは、ゆったりとした動きとフォールで魚の自然な本能を刺激する、奥深い釣法です。

専用のベイトタックル(特に6〜7ftの反発力に優れるスロージギングロッド)を使い、リーリングとロッドの反発を巧みに組み合わせてジグを操作します。

この釣り方は根魚だけでなく、青物、中深海のアカムツなど幅広い魚種に有効で、魚が活性の低いときにも効果を発揮します。

ロングフォールで広範囲を探るアクションや、微妙な誘いの強弱が釣果の差につながる、スロージギングの魅力が詰まったスタイルです。

スロージギングとは?基本の定義

スロージギング(スローピッチジャークとも)とは、ロッドの反発力とリーリングによってジグを跳ねさせ、フォールで食わせの間を作る釣り方です。

激しいシャクリではなく、ロッドとリールの機能を活かした、ゆったりとした誘いが基本です。

専用ロッドの弾性を最大限に活かすことで、ジグはスライドしたりヒラヒラとフォールしたりしながら自然にアピールします。

この手法は、根魚や青物、真鯛、中深海のターゲットにも対応できる汎用性の高さが魅力です。

ジグの落とし方と巻き上げの流れ

まずはジグを底まで落とし、着底を確認したら即リールを巻いて根掛かりを回避し、ラインスラックを回収します。

その後、リールを1/4〜1回転巻いてポーズを入れることで、ロッドが曲がり反発と共にジグが跳ね上がり、アクションが生まれます。

この巻き上げ→ポーズの流れを繰り返し、ロングフォールも組み合わせてフォール主体の食わせを狙います。

基本のロッドアクション

ロッドは軽く上向きに構え、リール操作を中心にアクションを生むスタイルです。

スローピッチジャークでは巻いては止める(ポーズ)の繰り返しでジグを跳ねさせ、フォールで誘います。

また、ロングフォールではティップを頭上まで上げ、一気にジグをフリーフォールさせるアプローチも効果的です。

初心者におすすめの水深とエリア

初心者には根魚狙いが最適です。底近くをゆっくり探れるため、スロージギングの感覚を掴みやすいです。

砂底や根の多いエリアも良く、根掛かりに注意しながら底取りの練習にもなります。

根魚は群れを成すことも多く、アタリが多くて楽しさも感じやすいです。

1回のシャクリで意識すべきポイント

ロッドやリールを強く動かすのではなく、「1回のジャークで1/4〜1回転巻く」軽やかな動作を意識します。

その後即ポーズを入れ、ロッドの反発力とジグの重さを活かしてフォールを生むことが重要です。

底取りの感覚を掴むコツ

仕掛けを底に落とし、着底したらすぐに巻いてラインスラックを回収することが底取りの鍵です。

着底感が曖昧な場合は、軽く巻いたりテンションを調整しつつ「底を感じる感覚」を身体で覚える練習をしましょう。

フッキングから取り込みまでの流れ

アタリを感じたらすぐにフッキングし、そのままリールを強めに巻き、魚を根から引き離すのが肝心です。

ドラグはしっかり締めておき、魚が根に潜り込まないように瞬時のリカバリーが求められます。

魚が少し浮いたら、ロッドの弾力を活かして丁寧にやり取りし、安全に取り込みます。

よくあるミスと修正ポイント

「シャクリが激しすぎる」「ポーズを入れない」といった動きすぎのミスは誘いの効果を損ないます。

逆に「フォールを意識しすぎて動かなさすぎる」も食わせの間を作れず、アピール不足に。

適度な「シャクリ→ポーズ→フォール」のリズムを維持し、ジグの動きを観察・調整しながらテンポを見つけるのが大切です。

  • シャクリは軽く1/4〜1回転
  • すぐにポーズを入れてフォールを生かす
  • 底取り時は即回収で感覚を養う
  • 魚が掛かったら即ゴリ巻きで根から離す
ミスの内容 修正アクション
シャクリが激しすぎる 巻きは1/4回転程度に落としてフォール重視に
ポーズを入れない シャクリ後に必ず一呼吸置いてフォールへ移行
底取りが曖昧 着底後すぐ巻いてラインを張り、底を感じ取る
魚に根に潜られる ドラグを強めに締め、ヒット後即ゴリ巻き

すべての見出しに対応する本文を記述しました。

必要なタックルとおすすめの道具

スロージギングには、専用設計された細身で高反発のロッドが不可欠です。

一般的なジギングロッドではなく、「6~7フィート(約1.8〜2 m)」前後の長さで感度と操作性に優れたモデルを選びましょう。

初心者には汎用性の高いチューブラータイプ、特に「チューブラー」がバランスがよくおすすめです。

フルソリッドはしなやかで根魚や食い渋りに強く、チューブラーは軽量で青物に適し、ソリッドティップは微細なアタリを捉えやすいという特徴があります。

リールは、巻き上げ力と操作性に優れたベイトリールが基本。水深に応じたラインキャパとドラグ性能が重要です。

浅場用(PE 1.5~2号 200~300 m)は200~300番、中深場用は1500~2000番、深場用(水深500 m以上)は4000番手がおすすめです。

ロッド選びの基準とおすすめモデル

スロージギングロッドは、反発力と粘りのバランス、操作性と耐久性がポイントです。

シマノなら「グラップラー」シリーズ、ダイワなら「ソルティガ SJ」、メジャークラフトなら「ジャイロシリーズ」などが人気です。

なかでも、シマノ「グラップラー BB タイプ スロー J」は軽量で高感度、最大330 gのジグに対応し、汎用性が高いエントリーモデルとして非常におすすめ。

ダイワ「ブラスト SJ」はコスパに優れ、HVFカーボン+ブレーディングX構造で扱いやすく、近海〜中深海向き。テイルウォーク「SSD SPJ631」も高反発・軽快な操作感が魅力です。

リールの種類と選び方

ベイトリールが基本で、巻き上げ力とフォール中の操作性に優れ、バイトを感知しやすい点が魅力です。

  • 近海(浅場): 200〜300番相当、PE1.5〜2号を200〜300 m巻けるタイプ
  • 中深海: PE1.5号で600〜800 m巻ける1500〜2000番クラス
  • 深海(500 m以上): PE3号で1200 m巻ける4000番手

スピニングリールを使用する場合は、操作性とのバランスから8000番程度が上限とされます。

スロージギングに適したポイントと時期

スロージギングは、魚の活性が低い冬季や深場、潮流が速い場所で効果が高い釣り方です。

狙う海域や水深を理解し、それに応じたタックルやジグを選ぶことが成功の鍵となります。

おすすめの海域と水深帯

浅場(50〜150 m)では根魚や中型青物がターゲットになりやすく、ライトなタックルが使えます。

中深場(200 m前後)ではキンメなどの高級魚が狙え、細いPEラインと中通しのベイトリールが最適です。

深場(500 m以上)では、アブラボウズやベニアコウなど大物狙いに、重ジグ・電動リールの使用が効果的です。

シーズン別の攻略法

冬季や低活性時は、ゆっくりフォールさせることで魚の興味を引くことができます。フォール中にバイトが多発するため、手元でアタリを察知できるタックルが重要です。

潮流が速い時期は、テンションフォールや細かなリフト&フォールでアピールするのが有効です。

電動リールは、深場や長時間釣行の際、巻き上げの負担を軽減しつつ一定速度で操作できるため、活躍の場が広がります。

初心者が最初に狙いたい魚種とその特徴

スロージギングの魅力は、初心者でも狙いやすい魚種が多く、季節やタックルに応じてターゲットを変えられる点にあります。

初心者向けの釣りやすいターゲット

浅場では根魚や中型青物が比較的釣りやすく、初心者には最適なターゲットと言えます。

中深場では、引きが強すぎないキンメなどの根魚が狙い目で、ゆっくりした誘いに反応しやすい傾向があります。

深場では難易度が上がりますが、電動タックルを使えば大物も挑戦可能です。

魚種ごとのアクションの違い

根魚はフォール中や底付近での小さな動きに反応しやすく、フルソリッドやソリッドティップロッドが有効です。

青物は活性が高いときに反応するため、チューブラーでシャープなリフト&フォールを行うことで誘いを強められます。

深場の大型魚は、大型ジグと重めのタックルが必要で、電動リールなど体力負担を軽減する装備の導入も検討しましょう。

実践で役立つアクションのコツとパターン

ワンピッチジャークは、リズムと動きのテンポが命です。

リールを1回転巻くごとにロッドを上下させ、「水面ギリギリまで下げてシャクり始める」ことでジグが自然に跳ね上がります。

スタート位置はできるだけ水面に近づけ、ロッドは水平よりも下向きに構えると効果的です。

ロッドのグリップエンドを脇に挟んでおくと、疲れにくく安定したアクションが可能になります。

ロッドとリールの動きを同調させることも大切です。たとえば、「ロッドを上げるときにリールハンドルも上げる」と連動させることで、力が伝わりやすくなります。

基本のワンピッチジャークのコツ

まずはスタート位置の意識です。水面近くまでロッドを下げ、そこからシャクり上げるように動かすとジグの動きに生命感が宿ります。

グリップエンドを脇に挟み、力ではなくリズムでアクションを続ける意識を持つと疲れにくくなります。

ロッドとハンドルを同じ方向に動かすと、動作に安定感が生まれます。

斜め上へのロッド操作も疲れにくく、長時間でも持続しやすいのでおすすめです。

状況に応じたアクションの切り替え方

標準のワンピッチジャークに慣れたら、状況に応じてアクションを変えてみましょう。

  • 青物狙い:ストップをほとんど入れず、スピーディーにジャークを繰り返す
  • タチウオ狙い:ゆったりと漂うような動きで、フォールをじっくり見せる
  • 根魚狙い:1~3回ジャークしたらフォールを入れて、ボトムを取り直すと効果的

アクションは釣る魚や状況によって使い分けるのが成功の鍵です。

よくある失敗例と対処法

釣りの現場では、思わぬトラブルが起こることがありますが、事前の対策で防ぐことも可能です。

特にラインブレイクは、タックル選定やドラグ設定、ラインの癖に注意することで大きく減らせます。

ジグが動かない原因と対策

ジグがうまく動かないときは、ロッド操作のリズムや角度、ラインのテンションを見直してみましょう。

動きが遅いと感じたら、ロッド動作をシャープにしてラインを瞬時に張る→緩める動きを意識することが有効です。

ラインとロッドの角度を一致させることで、ジグへのパワー伝達がスムーズになります。

ラインブレイクの予防方法

ラインブレイクの原因には、使用ラインの強度不足、ドラグ設定の不備、摩耗や根ズレなど複合的な要因があります。

  • 使用ラインはターゲット魚に合わせて適切な太さ・号数を選ぶ
  • ドラグは「ライン強度の1/3~1/4」を目安に設定し、引っ張りテストで確認する
  • 定期的にラインチェックを行い、傷や摩耗部分はカットして新しい部分を使う
  • 根や障害物周辺では、魚が掛かったら即「沖へ逃げる」または「魚の頭を変え返す」など事前にファイトをイメージする

ドラグは掛けた瞬間は強めに(例:2.5 kg)、その後は緩めて対応するなどシーンに応じた調整が肝心です。

中級者向けテクニックとステップアップ方法

ある程度基本を身に付けたら、より高度なテクニックに挑戦し、釣果と効率を高めましょう。

スローからの派生アクション

基本のワンピッチだけでなく、「ハーフピッチ(1/2)」や「1/4ピッチ」など、巻きの回転量を変えることでアクション幅が広がります。

アクション種別 特徴
ワンピッチ リール1回転/ジャーク、基本で汎用性高い
ハーフピッチ リール0.5回転、上昇幅小さめでフォール重視、タチウオやサワラ向き
1/4ピッチ リール0.25回転、底付近での誘いに特化

アクションのテンポとジグの動きを意識して、自分の釣りスタイルに合わせたリズムを見つけましょう。

魚探との併用による効率UP

魚探やリールのカウンターを活用すれば、深度や地形を把握し、効率的に狙いを定めることができます。

「カウンター付きリール」や「マーキング付きPEライン」を使えば、着底前でフォールを止めて根掛かりを避ける操作が可能になります。

また、魚探情報を船長と共有してポイントの凹凸を確認することで、ジグの落とし込みやすさが劇的にアップします。

スロージギングの魅力と楽しみ方

スロージギングは、大きな魚との静かな駆け引きをじっくり味わえる魅力あふれる釣法です。

シャクリとフォールを繰り返すゆったりとした動きが、魚の捕食スイッチを自然に誘います。

この穏やかなリズムこそが、スロージギングならではの楽しさです。

さらに、アタリの瞬間から掛けるまでの緊張感が、釣り人にとってなんとも言えない高揚感をもたらします。

狙った魚がゆっくりと反応する様子を見逃さず、丁寧にやり取りすることで、達成感もひとしおです。

スロージギングのスタイルは、派手な動きではなく繊細さが醍醐味です。

魚との一体感を感じつつ、自分の操作ひとつで魚の動きが変わるその面白さが、心を揺さぶります。

こうした過程を通して、“ただ釣る”だけでは味わえない深い充実感が得られるのです。

他の釣法との違い

スロージギングと他の釣法との最大の違いは“動きのテンポ”にあります。

トローリングやキャスティングルアーでは高速アクションで誘うのに対し、スロージギングは低速な動きで勝負します。

この違いによって、魚へのアプローチがより自然かつ繊細になります。

また、狙える層も中層~深場と幅広く、根魚や青物に対応できる汎用性があります。

そのため、魚が活性の低い状況でも、効果を発揮しやすいのが特長です。

さらに、ロッドやジグの選び方にも独自性があり、柔軟でしなやかなロッドが多く使われます。

この結果、操作の手応えや魚の反応がより手元に伝わり、やり取りの喜びが増すのです。

ファイトの面白さと達成感

スロージギングでは、魚がジグに触れてからの反応までがゆっくりで、とてもエモーショナルです。

その静かなアタリを目で追い、じっくり合わせる瞬間に、思わず心が高鳴ります。

ファイト中は、魚の動きに合わせてロッドやリールを丁寧に操作し、まるで対話しているかのような感覚に包まれます。

勝利の助走を経て、ついに魚が浮いてきた瞬間――その高揚感と達成感は格別です。

重みをしっかり味わいながら巻き上げる喜びが、釣り人の魂を揺さぶります。

こうした一連のプロセスが、スロージギングだけの醍醐味であり、病みつきになる要素です。

安全面で注意すべきポイントとマナー

スロージギングを楽しむ際、安全への配慮は抜かせません。

海況や船上の状況を事前に確認し、無理をしない範囲で楽しむことが大切です。

また、周囲の釣り人や船の状況を常に意識し、トラブルを防ぐ礼儀も忘れてはいけません。

安全とマナーを守ることで、心地よい釣行が長く続けられます。

こうした思いやりは、釣り仲間や同じ海を共有するすべての人への配慮にもつながります。

ライフジャケットと装備の基本

まず、必ずライフジャケットを正しく着用しましょう。

  • ライフジャケットは浮力が規定を満たしているか確認する。
  • ベルトやストラップがしっかり締まっているかチェックする。
  • 浮力材の劣化がないか、破れや色あせなどの異常がないか確認する。

そして、滑り止め付きのシューズやグローブを使用し、転倒や滑落のリスクを減らしましょう。

さらに、日焼け止めや帽子などの紫外線対策も忘れずに行いましょう。

これらの基本装備こそ、安全で快適な釣りを支える要です。

準備をしっかり整えて釣行に臨むことで、安心して集中できます。

周囲との距離感と声かけの大切さ

船上では、隣の釣り人との距離感を保つことが重要です。

ロッドの振り幅やジグの飛距離を考慮し、ラインが交差しないよう配慮しましょう。

  • ロッドを振る前に周囲を確認し、「行きますよ」と声をかける。
  • 仕掛けを巻き上げる際も、後ろや隣に注意して「巻きます」と伝える。
  • 落とし込みやしゃくりの際には、周囲の動きにも目を向ける。

こうした気遣いが、安全と快適な釣り場の雰囲気をつくります。

自然の中で共に楽しむ仲間への小さな心遣いが、釣行をもっと素敵な体験に変えてくれます。